【初心者向け】LVMとは?VG・LV・FSを倉庫のたとえでやさしく解説|Linux|情報処理技術者試験

IT

教授
教授

ストーリーで覚える系の第2弾!
今回はLVMについてたとえ話で説明するよ。

りょう
りょう

Linuxの分野で出てくるキーワードですね。
確かに初めのころはなかなか理解できませんでした。

教授
教授

システム開発に慣れた人からすると、逆に分かりづらい例えになるかも(笑)

LVMとは?Linuxや情報処理技術者試験で押さえるべき基礎知識

サーバーやLinuxの運用では、ディスクの容量管理が大きな課題になります。

そんなときに役立つのが LVM(Logical Volume Manager) です。

名前だけを暗記すると混乱しがちですが、役割を整理すれば理解がぐっと楽になります。

ここではLVMの基本構造と、パーティションとの違いを解説します。

LVMの基本構造(PV・VG・LV・FS)を整理しよう

LVMを理解するには、4つの要素を整理するのが近道です。

  • PV(Physical Volume):物理ディスクをLVMで扱えるようにしたもの
  • VG(Volume Group):複数のPVをまとめた「大きな器」
  • LV(Logical Volume):VGから切り出した利用単位。実際にマウントして使う
  • FS(File System):LVの上に作成し、ファイルを管理する仕組み

つまり流れは「ディスク(PV)をまとめ(VG)、必要に応じて切り分け(LV)、最後に整理棚を置く(FS)」という形になります。

ポイントは「FSがあって初めて、ユーザーがファイルとして扱える」ことです。

パーティションとLVMの違いは?初心者が混乱しやすいポイント

LVMを学び始めると、パーティションとの違いが混乱ポイントになります。

  • パーティション
    • 物理ディスクを固定的に分割する方式
    • 一度区切るとサイズ変更は困難
  • LVM(LV)
    • 必要な分だけ柔軟に切り出せる
    • 後から容量を増減できる

つまり「固定的に決めるか」「柔軟に変えられるか」が大きな違いです。
Linuxの実務では、将来の拡張を考えてLVMが好まれるケースが多いです。

第1章のまとめ
・LVMはLogical Volume Managerの略で、柔軟なディスク管理を実現する仕組み
・PV・VG・LV・FSの流れを押さえると理解が進む
・パーティションは固定的、LVMは柔軟という違いがある

たとえ話で理解するLVM

ここまでで、LVMの基本構造やPV・VG・LV・FSの役割について学びました。

しかし、文字だけで理解すると少し抽象的で、初心者の方にはイメージしにくいかもしれません。

そこで、LVMの仕組みを身近なたとえ話で解説します。

物語の主人公は「リナ君」です。

リナ君が倉庫の使い方を考えているところを想像して、PVからFSまでの流れを整理していきます。

PV=倉庫:物理ディスクそのもの

リナ君は、土地に2つの「倉庫(PV:Physical Volume)」を置きました。

倉庫Aは100㎡、倉庫Bは200㎡

ただし、このままではそれぞれ独立しており、「100㎡」「200㎡」の単位でしか使えません。

「120㎡」のスペースが欲しいとき、倉庫Aでは足りないし、倉庫Bでは広すぎて余ってしまいます。

これが物理ディスクを直接使うときの制約にあたります。

VG=大倉庫:複数の倉庫をまとめて使いやすく

そこでリナ君は、複数の倉庫をつなげて「大倉庫(VG:Volume Group)」として管理することにしました。

倉庫Aと倉庫Bをまとめて、合計300㎡を「ひとつの大きな空間」として扱うことにしたのです。

これなら、必要に応じて自由にスペースを切り出せます。

  • 120㎡の部屋
  • 150㎡の部屋
  • 残りはあとで別用途に

Linuxで複数のディスクをまとめて柔軟に活用できるのがVGの役割です。

ここで、次のような質問が浮かんできます。

最初から大きな倉庫(大容量ディスク)にしておけば?

確かにそうなのですが、現実には予算やタイミングの制約で大小さまざまな倉庫(ディスク)を後から追加していくことが多いです。

VGを使えば、そのような状況でも“ひとつのまとまった大倉庫”として扱えるため、将来的な拡張がとても楽になります。

LV=部屋:必要な広さを切り出す

次にりな君は、大倉庫の中を仕切って「部屋(LV:Logical Volume)」を作りました。

  • 部屋1(120㎡):商品の在庫置き場
  • 部屋2(150㎡):資材置き場

大倉庫(VG)の中から必要な分だけ切り出せるので、無駄なく活用できます。

さらに、必要に応じて部屋を拡張・縮小できる点がLVMの大きなメリットです。

FS=棚:整理して取り出しやすくする仕組み

最後にA君は、部屋の中に「棚やロッカー(FS:File System)」を設置しました。

棚を置くことで、物をきちんと分類・整理できるようになったのです。

もし棚がなければ、部屋の中はモノが散乱し、どこに何があるのか分からなくなってしまいます。

ファイルシステム(FS)は、この「整理整頓の仕組み」にあたります。

まとめ:倉庫の物語で整理しよう
PV=倉庫 … 物理ディスクそのもの
VG=大倉庫 … 複数の倉庫をまとめて容量を柔軟に利用
LV=部屋 … 必要な広さを切り出す。拡張・縮小も可能
FS=棚 … 部屋の中で整理整頓する仕組み

いかがでしょうか。

システムの世界に慣れている人は、倉庫の例を出すより直接理解した方が早いかもしれませんね。

まとめ:倉庫の物語でLVMをイメージすれば理解が深まる

用語だけでなく「役割のイメージ」を押さえることが大切

この記事では、LVMの基本構造であるPV・VG・LV・FSを、倉庫の物語を通して整理しました。

重要なのは、単に用語を覚えることではありません。

それぞれの役割をイメージできることが理解を深める鍵です。

  • PV=倉庫(物理ディスク)
  • VG=大倉庫(複数倉庫をまとめて容量を柔軟に利用)
  • LV=部屋(必要な広さを切り出す)
  • FS=棚(部屋の中で整理整頓する仕組み)

タイトルとURLをコピーしました